流産・人工妊娠中絶について
はじめに
当クリニックでは初期(妊娠3ケ月まで)の中絶は、日帰り手術で行っております。
日程はご希望により土・日・祝日手術も可能です。中期(妊娠4ケ月以降)の中絶は、約3日程度の入院を要します。
I. 人工妊娠中絶術(初期=3ヶ月<11週6日>まで)
手術の目的
子宮内の妊娠内容物を取り除き、子宮の中をきれいにする手術です。
手術に要する時間は約20分ですが、時にはそれ以上かかることもあります。
手術の特徴
この手術は、「手探り」で行う手術で、深い知識と経験による慎重な操作が必要です。
II. 手術に伴う危険と対策
頚管裂傷
経膣分娩の経験のない方、以前の分娩の時に子宮頚管(子宮の入り口)に傷のあった方前回分娩よりかなりの年月の経過や子宮筋腫などのために子宮頚管の硬い方の一部には、頚管が「硬く、もろい」ことがあり手術で頚管に損傷を起こすことがあります。
これを防ぐために手術の12~24時間前にラミナリアという子宮頚管をゆっくり軟らかく開大させるものを頚管内に挿入します。
子宮穿孔
手術は、「手探り」で行うため、子宮穿孔(子宮に穴があく)の危険性もごくわずかですがあります。
特に子宮奇型(双角子宮など)、子宮筋炎などがあれば起こり易いと言われています。
これを防ぐため、当院では、吸引法と従来の器具を使う方法を組み合わせて手術をしています。
遺残
この手術は細心の注意をしていても、子宮内容のごく一部は残るものです。
胎児や胎盤の成分が出ていれば、子宮内膜(脱落膜)の一部が残っていても心配いりませんが、出血などが長く続く場合には再手術を必要とすることもごく稀にあります。
感染症
ラミナリア挿入時および手術時の消毒は充分いたしますが、手術後に子宮頚管がまだ閉じない時期に細菌感染を起こすことがあります。卵管炎などを併発しますと将来の不妊症のもとになることがあります。
これを防ぐために、指示のあった日には診察を受けて下さい。
また、腹痛・発熱などがあれば指示日に無関係に直ちに診察を受けて下さい。
シャワー浴は、手術当日からして戴けます。
妊娠継続
多胎や重複子宮(子宮が二つに別れている)場合などに、手術後妊娠が継続する場合があります。
手術後6週間経過しても、月経が無かったり、あってもいつもより少ない場合は診察を受けて下さい。
妊娠が続いていないかどうか確認をします。
III. 麻酔に伴う危険と対策
麻酔方法
当院では通常、静脈麻酔(静脈より麻酔薬を注入し、意識がなくなったり、意識があっても痛みが和らぐ麻酔法)を行っていますが、静脈麻酔が適当でない方の場合、伝達麻酔(脊椎麻酔、硬膜外麻酔、ブロックなど)や吸入全身麻酔を用いることもあります。
静脈麻酔の合併症と対策
特異体質の方でごく稀に、呼吸が止ったり、心臓に異常が起こることがあります。
これらに対して麻酔の15~30分前に唾液や気道分泌物増加を防ぎ、また徐脈になることを防ぐ薬を筋肉注射します。
いつでも対策がとれるように、血管確保(特殊な針で点滴補液を行い、いつでも静脈注射できる体制)を行います。麻酔中はパルスオキシメーターで脈拍数と動脈血液酸素飽和度をモニターします。
※手術後は、比較的早く目が覚めますが、約2~4時間は頭が重くボーとした感じが残りますので、医師や看護師が安全を確認するまで安静にしていてください。
※麻酔・手術で危険徴候があれば、安全対策はとりますが 、時には手術を中止することもあります
IV. その他
手術後子宮からの出血は7~10日続くことが多いです。
量が多くなければ心配いりません。
手術翌日、当院でガーゼタンポンを抜去をいたしますので必ず来院してください。
月経は手術後4~6週後に来ることが多いですが、6週を過ぎても月経が無いかあってもいつもより出血が少ない場合は必ず診察に来院してください。


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